篭目

かごめ　かごめ



かごの中の鳥は
　

いついつ出会う


夜明けの晩　に


つるとかめがすうべった





縁側から子供の声が聞こえてくる。
なつかしい。
何時やったきりかと思う。
もうそんなことをやるような年ではないけれど
歌を聴いてふと思う。

かごめとは籠目が語源なのだそうだが
捉まった鳥は鶴のような大きな鳥ではないように思う。
せいぜいひよこのような小さな鳥だろう。
とはいっても此処は漁村、
ひよこなんて早々見ないが。
と、思って忍び笑う。

「医家ってのは暇らしいな」

いつの間にか歌が　已んでいた。

聞きなれた声。

振り向く。

「おまえさんほどじゃねえよ」














後ろの正面は、誰だ。